アメリカの雇用統計は、初心者の皆さんはもちろん、トレーダーなら絶対押さえておきたい経済指標です。
雇用統計の発表に伴い、相場が大きく動くので、トレードする際は十分に注意が必要です。
アメリカの雇用統計とは?
FXトレードにおいて、誰もが注目する経済指標があります。
それは、アメリカの雇用統計です。
毎月第1金曜日に発表されるこの指標は、世界中が注目する指標で、簡単に言うと、現在のアメリカの雇用状況を指し示すものです。
雇用状況が何を表すのかというと、アメリカの景気を指し示すということになります。
アメリカ経済というのは、世界に莫大な影響を及ぼすものです。
世界の基軸通貨であるドルもそれに応じて、大きく売買されるということになります。
雇用状況の具体的中身はと言うと、非農業部門の雇用者数がどう推移したかということです。
前月に比べて、雇用者数が増えたか、減ったか。
それと、失業率の推移であり、平均賃金指数です。
このような、指数の発表は、アメリカの景気が現在どの程度なのかを指し示すものとして注目されています。
アメリカの金融政策との関係は?
そして、この雇用統計と連動しているのが、FRB(米連邦準備理事会)の金融政策です。
FRBとは、日本で言うところの、日本銀行にあたり、その国の中央銀行として、金融政策に関わります。
FRBの主な役割は、アメリカの雇用の最大化と物価の安定です。
なので、雇用統計の結果を受けて、FRBは景気を推し量り、金利政策を決定するのです。
もちろん、世界中の投資家は、この雇用統計を受けて、FRBがどのような金融政策を打ってて出るのかに注目しています。
具体的に言うと、金利政策で金利を上げるのか、そのまま据え置きにするのか、というようなことを、発表に先駆けて予測し、相場を動かすということになります。
なので、発表した時点では、そのことはすでに織り込み済みということになります。
雇用統計と為替相場の関係は?
単純に考えると、雇用統計の数値が良ければ、景気がいいと判断されますから、金融政策としては、金利の引き上げということが予測されます。
そうすると、ドルの価値も高まりますから、相場としては円安ドル高という状況になります。
雇用統計の結果が良ければ、普通に考えてドル高、悪ければドル安ということになります。
しかしながら、相場というのは、そのような単純な動き方をするわけではありません。
確かに、雇用統計発表直後は、急激にドル高に動いたものの、その後は急激に値を戻すことがあったり、短期的にドル高になったものの、その後徐々にドル安に傾くというようなことも、多々あります。
それに雇用統計が発表され、その後FRBの金融政策が発表されたとしても、相場がたいして動かないというようなことも、あります。
それは、相場がそのことをすでに織り込んでいるからです。
相場というのは、予めそうなるであろうと、先に動いてしまっているところがあるのです。
相場は、投資家の心理が反映されていると言いますが、まさしくこのことで、発表されてから動くのでは遅いということになります。
投資家がすべてはチャートに表れると言うのは、そういうことです。
このように経済指標のことを、トレードの世界ではファンダメンタルズと言います。
トレーダーの中には、このファンダメンタルズだけで、トレードする人もいるぐらいです。
ファンダメンタルズについては、別の記事でまとめているので、そちらも合わせてご覧下さい。

トレードの注意点とは?
具体的なトレードに観点を移すと、雇用統計の発表やFRBの金融政策の発表によって、相場は大きく動くことが予想されます。
なので、そういう時はトレードをせず、しばらく様子を見て、やや落ち着いた時点でトレードするようにした方が無難です。
トレーダーによっては、ボラティリティが大きくなる、このタイミングをチャンスと見てトレードする人もいますが、初心者の方にとっては、非常にリスクが高いので注意が必要です。
すべての局面を狙うのではなく、自分のトレードスタイルに忠実に従い、そのチャンスが来た時にだけ、トレードするようにしましょう。
この変動相場の世界で、長く生き残っていくためには、そういった状況ではトレードしないという判断も必要となります。
この記事を書いた人

Toshiya(時遊人)
旅や資産運用などについてブログで発信しています。世界中を旅して現地のコアな情報をお届けしたいと思っています。是非他の記事も合わせてご覧下さい。
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